パナマ文書 – 脱税だけが問題ではない

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パナマ文書が話題になっている。

日本企業の名前はかなり限定的で二十数社しか出ていない。

ほぼ全ての報道は租税回避行為と資産隠しについてのみ触れている。しかし、この手の仕組は余程マヌケなことをしていない限り、脱税として起訴されることはないだろう。

脱税で立件できる件数はかなり少ないだろうし、立証するにしてもかなりの時間と労力が必要になる。

そんなことよりも、名前の出た会社は背任行為やら利益相反取引やら株主代表訴訟などの心配をしたほうが良い。



確実に黒

租税回避行為などを行ったということは、かなり乱暴に言えば、利益や資産を過小に見せるための何らかの商取引を行ったということだ。

そういった行為は、法律で認められた範囲で行ったのであれば租税回避行為となる。租税回避行為であれば、見解の相違として当局と争うことができる。

いま話題になっているパナマ文書の件については、その殆どが租税回避行為として争うことのできる商取引なのではないかと想像している。また、脱税があったとしてもそれを立証するにはかなり大変な作業となるだろう。

利益や資産を過小に見せる行為は株主に対して正当な行為か?

通常、租税回避は利益や資産を過小に見せることにより行われる。

それはすなわち、株主に対して会社の資産状況などを正確に伝えていないことと同じ意味となる。

この時点でそれなりにまずい状況だとは思うが、さらにその利益や資産が個人へ流れているとなると大問題となる。

特にベンチャー上がりの上場企業などにありがちな事だが、このような取引が創業者が実質支配権を持つ別会社と行われている場合では限りなく黒に近い。

また、古参企業においても、経営幹部がその個人会社などへ利益を移転するような利益相反取引をしていれば背任行為だ。

もし当局が動くとすれば、初手は脱税で立件するよりも背任で攻め込み、端緒とするのではないだろうか。

普通にいくらでもある話

そもそも、この件について日本のマスコミはあまり大きく取り上げていない。

名前の出た企業がマスメディアに巨額の広告費を投じていることから積極的な報道を避けているという穿った見方もできるが、おそらく実態が正確にわかっていないことと、その全貌を正確に理解できる記者がいないからというのが実際のところだと思う。

また、今回リークされたのは「モサック・フォンセカ」の顧客だけなので、名前が出た日本の会社はかなり限定的な数になっているが、まだまだ氷山の一角だと思っていい。

そして、そういったものは普通は絶対に表に出てこないので、この先も未来永劫隠されたままだろう。

今回のリークが異常なのだ。

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