東京では石原さんが推進した都立高改革や中高一貫校制度の導入以降、公立校の人気がかなり高まっている。しかし私立上位校の人気は相変わらず高く、偏差値も、大学上位校合格実績も共に下がっていない。
東京で子供2人を私学に通わせようとすると、どうしても1,000万円以上の世帯収入が必要になる。平均的な世帯では、祖父母からの経済的な支援をあてにしなければ子供2人を私学に通わせることは難しいだろう。
一方で晩婚化の影響により、今の親世代が自分の孫の教育費を援助できるかどうかについては、年齢的な問題から経済的援助をすることがかなり厳しい世帯が増えるのではないかと予想できる。
大学上位校に入るためには私学に通わなければならないというわけでは無い。しかしながら、大学上位校に入学する学生のうち私学出身者が占める割合が多いこともまた事実だ。
統計上は学歴や学力と生涯収入には相関関係があることがわかっており、卒業した大学によっても同年齢年収に差がでるとの私企業による調査結果もある。(なお、この部分の記述については分布をみていないので、具体的にどの程度の相関があるかについては勉強不足で不明です。)
数十年の長期的な視点に立てば、現在のような社会制度が続く場合、代々費用のかかる教育を受けることのできる家とそうでない家では、階級といっても良いほどの格差が生まれかねないということは想像に難くない。